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Q&A  お客さまからよくいただくご質問から、ピックアップしました


Q. タッチ についててすが、本当の意味は何ですか? 

   ( 鍵盤の重さのことですか? )

   「軽い」 ほうがいいんですか?

   なんか、気になるんですけど‥‥。

 


A. タッチとは、

   演奏者が「こんな音がほしい‥‥」と

   イメージしながら弾いたとき、

   「その手の動き」と「実際に出てきた音」

    とのかねあいをいいます。




そうですね、タッチは、一概に「軽い」ばかりがいいとは限りません。

「手ごたえがある」感じも同じように大切です‥‥程度の問題ですが。


ただ、「( このピアノは ) かろやかなタッチだ」 という場合、「タッチ

のコントロールがしやすい」 という意味で言うことがあります。




タッチのちがいについて簡単にみてみるなら、ピアノのフタを開けて、

低音部と高音部の鍵盤を、交代に打ってみてください。


‥‥指先に感じるものがちがいませんか?



ピアノのタッチは、低音側が重く、高音側が軽くできています。


それは、鍵盤につながっている「ハンマー」 や「ダンパー」という

部品の大きさ、また、鍵盤に入っている「キーウェイト」という鉛の

重さがちがうためです。



まず、ハンマーは、頭にフェルトを巻いた小さな木のトンカチで、

ピアノの中で弦を打って、「ピアノの音」を出しています。

低音部では、弦も「巻き線」になって、かなり太く、重くなるので、

それを打つハンマーも、つりあうように大きくなっています。



また、ダンパーは、音が鳴ってほしくない時には、ぴったりと弦に

くっついて、音を止めている部品で、ペダルにつながっています。

そのダンパーも、低音にむかうほど大きくなっています ( 高音部

は、音の消え方が早いので、わざわざダンパーはつけません)。



キーウェイトは、鍵盤1本ずつの木部に入れる鉛のおもりで、

鍵盤ごとのばらつきを押さえ、全体を揃えてバランスをとります。

入れる位置によって、鍵盤に与える重みが変わります。

全体では、低音部にいくほど重くなるように調節されています。




これらが集まった結果、高音部と低音部では、鍵盤を弾いたとき、

指先に伝わってくるものがちがうのです。




鍵盤を弾く力をだんだん強くしていくと、ハンマーが弦を打つ力も

強くなっていくので、出る音もだんだん大きくなっていきます。


そこには比例の関係がありますが、それとは別に、「感じ」の問題

もあります。



弱い力で鍵盤を弾いているつもりなのに、意外に大きな音が出れば、

弾いている人は 「軽いタッチだな」 と感じ、反対に、かなり強い力で

弾かないと欲しい音量が出ない場合、「タッチが重すぎ」 と感じる

ことでしょう。



どれくらいの力を加えているつもりか? というのは、本来とても

個人差がある感覚ですし、弾く人の手の大きさや指の長さ、今まで

の習慣や好みなど、人それぞれなので、タッチについては、実に

さまざまな感じ方があります。



( だれが弾いても、「 重い‥‥っ!!」 と思うピアノもありますが、

 それは調整不足の論外か、変わった好みの人のピアノです。

 繊細なピアニッシモは、きっととても弾きづらいでしょうね )



結局、「弾く人が心地よい」 というのが、良いタッチなので、

「その人に合わせる」 「違和感のないようにする」 ことをしますが、

それは調律師の仕事です。



各ハンマーの間隔を正確に揃えて、必ず弦の中央を打つように

整えたり、すべての鍵盤の高さや間隔、面の角度の傾き、押し

下げたときの深さを調整したり、個々のバラつきを直したり、鍵盤

とハンマーのつながり具合を修正したり、ハンマーと弦の間隔

(打弦距離) をベストな値に設定し直したり‥‥、もっと細かい

作業もいろいろ‥‥。


     「アフター・タッチ」 の問題などもありますが、それに

     ついては、またあらためてお答えしましょう

     ( 長くなってしまいますから )。


とにかく、やることはどっさりある上、文字通り 「紙一重」の違い

だったりするので ( 下に写真があります )、なかなか手応えの

ある作業です!



‥‥ただ一方で、「鈍感な」 ピアノというものも、やはりあります。

「繊細な」 ピアノの反対で、コントロールが利きにくい、つまり

弾く人の要求 (テクニック) に応えられないピアノのことですが、

そういうピアノでは、極端な場合、演奏者がどれほどタッチに

変化をつけても、出てくる音にはほとんど反映されません。


いわゆる 「 弾きにくいピアノ 」 のひとつです。



そしてそれが、調整の不備ではなく、ピアノの構造上の理由から

きている場合は、残念ながら、技術者がほどこせる処置にも

限界があります。


機種によって、もともと材料や設計、工法に大きなちがいがある

上、今までの使われ方によっても、楽器としての能力には差が

出てくるからです。



でも、上でお話したようなメンテナンス( 「整調」といって、「調律」

とは別の作業です ) で、もっと弾きやすくなるピアノは、いっぱい

あると思います。



ピアノの力を最大限に発揮した状態で、心地よく弾いていただく

ために、定期調律のとき、またそれ以外のときでも、担当の人に、

「 ちょっとタッチが気になって‥‥ 」 と相談されてはいかがで

しょうか?



    鍵盤の高さや深さを揃えています。 

左は、黒鍵の高さを測定中。

右は、「パンチングペーパー」
を入れています。

薄いものだと、厚さ0.04mm。
コピー紙の厚みの約半分くらい。

‥‥「 微妙〜〜 」 でしょう?



                          ご質問がありましたら、どうぞお寄せください


   
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